播磨に来たスクナビコナ
稲種山
ところで、スクナビコナという体の小さな小さな神がいた。オオクニヌシの肩にちょこんと乗るくらいだ。ひょんなことから彼の国造りを手伝うことになり、
「ハイサイ! み~どぅさいび~たん」
「相変わらずテンション高いね。っていうかごめん、何言ってるかわかんない。
「まかちょ~けッ!」
(国造りが得意で頼りになる神なんだけどなぁ。琉球はまだ日本じゃないからね、そこだけ念押ししておきたいよ)
そんなこんなで、
「おお~、遠くまで見える。土地の形もよくわかるね」
「ヤンヤ~」
「ん~……そうだ。あの山には、稲種を置いたらいいんじゃない? そしたらきっと実りが豊かになるよ」
「ンチャ!」
「山の形も稲を積み上げた感じに似てるよね」
「ヤサヤ!」
「……これ、ちゃんと会話成立してるのかな」
何はともあれ、稲種を送ってその山に積んだ。それで
埴岡
オオクニヌシの発想はその後もさえ渡っていた。スクナビコナにこんな競争を持ちかけたのだ。
「ねぇ、スクナビコナさん。ただ歩いていくのも退屈だからさ、ちょっとした勝負をしないかい?」
「じょ~と~」
「おっ、乗り気だね。じゃあ遠くまで行くのに、粘土を背負って行くのと、ウ〇チをしないで行くのと、どっちができるかな。僕はウン〇をしないで行くよ」
「わんねー
こうして、
「僕、もう、我慢できない……ッ!」
そう叫ぶやいなや、オオクニヌシはすぐさま座り込んで糞をした。
「アンクトゥヤ~、で~じ苦しい」
と笑って、スクナビコナも埴を投げ捨てた。
また、オオクニヌシが糞をしたときに、小さな竹がその糞を弾き上げて、服に当たった。
「うげっ、汚れたし……」
この時の埴と糞が石となって固まり、今もなくならないで残っている。それが